日本財団 図書館


 

今も親代わりの先生

飯星美恵子
熊本県
昭和三十三年のころ、中山間地の農家では自動車があるのはほんの僅かで、農作業用の機械が少しずつ導入され始めました。
それ故に、手作業で野良仕事をして重労働の日々が続き、生活は厳しいものがありました。
そんななか、我が家の二男、幸雄は誕生しました。優しい丸い目をした、女の子にいつも間違えられるほど可愛い子供でした。
しかし、この子に重い荷物を背負わせることになってしまったのは、親の責任としか言いようがありません。
生後三ヵ月ごろ、四十度もの高熱が出たが、やっと治った矢先、六ヵ月目に再び発熱しました。小さな体には耐えがたい苦しい日々となったのです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION